事業名称 社会的認証システム-第三者認証(ステップ3)

社会的認証システム構築の背景と意義および経緯と目的

2006年、京都を中心に活躍する研究者や実践者等で構成する研究会を発足し、社会に貢献している団体を応援する仕組みづくりとしての社会的認証に関する研究活動を続けてきました。その成果は、2008年度に市民ファンド設計を研究するプロジェクトチームとの両輪的機能として位置付けたプロジェクトチーム「NPOの社会的認証に関する研究会」に引き継ぎ、内閣府からの支援を受けて、ファンドの設立とあわせて、NPOや市民活動団体が一定果たすべき社会的責任に関する基準およびそれらを「民のチカラ」で社会的認証する仕組みのあり方について研究・学習会を継続して行いました。

2009年、官民協働で「京都地域創造基金(現公益財団法人)」が設立され、京都地域において市民の寄付を中心としたNPOを支える新しいお金の流れの仕組みがスタートしました。しかしながら、この仕組みは、NPOであれば全てを「支援する」という「産めよ増やせよ型」の支援ではなく、社会的な利益やレゾンデートル(存在の意義)に立脚した支援、NPO自身のアカウンタビリティ(組織の総体的な説明責任)・ディスクロージャー(情報公開)に立脚した支援を通じて、いままであまり議論されてこなかった支援者主体(支援側の視点)の支援の実現に結び付けていきたいと考えてきました。

これらの議論を踏まえ、2009年に日本財団CANPANと協働で構築した地域公益ポータルサイト「きょうえん」※を活用して、NPOの情報公開を基軸とする段階(ステップ)に応じた社会的認証を行います。これら社会的認証システムおよび評価基準は、単に組織的に大きく一定実績のある団体のみが評価される仕組みとしないために、レベル別に認証基準を活用します。また、セルフ・レビュー型(自己評価)とピア・レビュー型(認証を受ける側もシステムの協働構築者として主体的に参画)の第三者認証の仕組みを内包することで、地域社会において広い意味での公益性の認証の実現に寄与できるだけでなく、行政や企業等、NPOや市民活動を取り巻くステークホルダーに対して、第三者による認証の仕組みを取り入れ、客観的かつ信頼性のある情報や状況等を提供することができるようにします。そして、結果的にはNPOと行政、企業等他セクターとの協働環境の整備や「市民が支える市民社会の実現」につながっていくことを目的としています。

本社会的認証システムにおいて、その特性をより輪郭的に捉えるとすれば、ピア・レビュー型の評価システムを内包していることや、社会的認証のシステム構築における根本的な問題として本社会的認証システムのみが、唯一絶対的なものではなく、むしろNPOや市民活動が必要とする社会的認証・支援システムは多様に存在しうるという確信と仮説を前提に運用をスタートさせるというところに特異性があると認識しています。また、どのような組織フェーズにおいても多様に存在感のあるNPOは想定でき、その成長・形成プロセスは一様ではありません。レゾンデートルの表現を多様に想定できてこそ中間支援機能を有した組織としての重要な機能があり、そこにこそ役割が求められているのだとの認識を改めてもたなければなりません。ひとつの評価指標をもってのみ「頑張っている・信頼のおける」NPOを語ることはできず、民間の認証システムとしては、運用と同時に別の課題にしっかりと向き合わなければいけないと考えています。

2010年4月以降これまで特定非営利活動法人きょうとNPOセンターにおいて、一定の蓄積により策定した評価基準(50項目)に基づいて、試行訪問調査(モニタリング)を実施しており、これら研究と課題の検討結果により、一定レベルに到達した成果として2011年3月以降の第三者認証(ステップ3)の導入と、本社会的認証機構としての本格稼働を開始致します。

※地域・公益ポータルサイト「きょうえん」(http://kyo-en.canpan.info/)は、京都の地域とまちづくりを応援したい人や、行政・企業・助成財団などの団体のみなさんに、NPOを中心とする公益活動の情報を提供するサイト。特定非営利活動法人きょうとNPOセンターが、日本財団の公益コミュニティサイトCANPANの協力を得て運営している。このポータルを通じて、京都(きょう)のまちづくりに関わる多様な担い手たちに新しい縁(えん)が生まれ、よりよい共演(きょうえん)がはじまることを目指している。

社会的認証システムのメリット